森羅万象セミナー

第2回 §7

例えば、Aさんという人がね、非常に意地悪で、会っただけで誰もがとても嫌な感じを受けるような、何か「この人の近くにいたくない」と思うような、そういうふうな感じの人だとします。Aさんは、人に対して非常に疑い深い、容易には人を信じない、まあそのような世界観というものを持っているわけです。そうすると当然ね、周りの人も、 そのAさんの近くにいるだけで嫌な感じを受けるわけですから、Aさんをもちろん信じません。Aさんに対して信頼をする、そのような根拠がどこにもないので、Aさんというのはとても疑い深い人で、近くに行ってもあまりろくなことはない、まあそういう人なんだっていうふうに皆は感じるようになるわけです。そうなると、Aさんは「やっぱり人は信じられないものなんだ」という世界観を、ますます強く持つようになります。そうして、Aさんにとって周りで起こることっていうのはね、まさにAさんの凸凹に沿ったような、もうとても嫌な感じの人も来ますし、そういうことが起こってくる。

そして、また別のCさんという人がいるとします。そのCさんは、何だかその人の近くにいるだけで、もう何かすごく嬉しくなってしまうような、何かとてもほっとするような、この人といると本当にニコニコできて、自分の一番いい所がそのまま素直に出てくるような、まあそういうふうな人だとします。そうしますとね、当然Cさんの周りでは、人はとても親切だし、皆ニコニコして明るいし、そういうふうなことがBさんに起こるわけですね。

Aさんに起こること、Bさんに起こること、またCさんに起こることは、皆違うわけです。その違いがどこから来るのかって言うと、その人の凸凹、その人の存在のあり方に沿ってそこから起こるわけですね。だけども、Aさんはね、なぜそのようなことが自分に起こるのかっていうことについては、なかなか気が付くことができません。それらは自分の存在のあり方そのものが起こしているんだっていうことに気が付くのは、とても難しいことなんです。自分の姿っていうのは自分ではなかなか分かりませんから。自分で分かることは、こういうことが実際に起こっている(ように見える)ということだけですから、そこから、世界っていうものはこういうものだというふうに思わざるを得ないわけですね。それぞれの人にとっては、実際のいわゆる「現実」ですから。皆、AさんもBさんもそれぞれ毎日こういうことを、このようなことが起こっているということを経験しているわけですね。Bさんにとってはこれは何も空想的な話じゃなくて、Bさんが毎日実際に経験することっていうのは、こういうことであるわけですから。

それで他の経験というものはBさんの周りには起こらないからしようがないわけですので、Bさんにとっては世界というものがね、こういうものなんだというふうに思わざるを得ない。もう当たり前ですね。Cさんにとってもそこは全く同じで、人は皆信じられる。誰もがちゃんと愛情を持ってね、いろいろなことをやってくれる。実際にそういうふうなことがCさんの周りでは毎日起こるわけですから。Cさんにとってそれが現実なわけです。皆それぞれね、実際に起こることっていうものは、皆違うわけです。そしてその違いというものは、それぞれが自分の存在のあり方に沿って起こるわけなんだけども、自分の存在のあり方が、当然ながらそういうふうなことを「引き起こして」いるということには、なかなか気が付けないわけですね。なので、皆それぞれ「これが現実だ」と思っている。つまりそれぞれが、それを現実だと「妄想」しているわけなんですね。これが本当のリアリティだと。ですからね、人間はなかなか変われないというのは、なかなか気付けない、なかなか目覚めることができないというのは、これはよく考えると当然であって、自分の周りにはそういうことしか起こらないわけですから、なかなか気付きようがないわけですね。

そして、いろんな、自分のこのような世界観とは一見違うような、人の言葉とかいうものを見ていても、誰しもまず第一に、それを自分のフィルターを通して勝手に解釈するわけです。自分のそのフィルターに引き寄せて解釈しますから、なかなかそれは、ありのままはね、理解できません。また、そうですね、同時に人間というものは、自分のその世界観と合わないように見える物っていうものはね、無視します。全然関心を呼びませんから。それがあったとしてもね、全く見えません。まあそういう状態なんですね。

今の話は非常に重要で、今日お話するところの、最初のところから出てくるんですけどもね。まあ簡単にさわりをちょっとお話いたしましたけれども、それでは今日はこれからかなり詳しく、唯識についてお話をしていきたいと思います。ではちょっと休憩をします。

続く

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