それでは始めましょう。こんにちは。

日本ホメオパシー振興会の永松昌泰です。

私は普段は、ハーネマンアカデミーというホメオパシーの学校をやっておりますが、いきなりいわゆる医療的なところに飛び込んできたわけでは全くなくて、元々は哲学ですとか、宗教的なことですとか、科学・芸術的なこと、そういったことを考え続け、追求して参りました。

そしてその大きな枠組みが、ホメオパシーと見事に一致したことからホメオパシーをやっておりますけれども、もともと医療とかホメオパシーというものから入ってきたわけではありません。

私の根幹にあるものは常に哲学であり、芸術でもあり、またある種宗教的なものでもありました。

宗教といっても、いわゆる宗教団体のことではなく、人間そのものが宗教的な存在ですので、そういう意味の宗教的ということですが、森羅万象を含めて、我々はどのようにして、この世界に、そして、この宇宙に存在しているのか、何のためにこの宇宙に生まれてきたのか、何をしようとしているのか、そういった諸々のこと、それら全てのことが根幹にあって我々は生きているわけです。

このことにつきまして、私なりにずっと考えてきたこと、まあ確かだと思っていること、そこには、様々なことがございますので、皆さんと分かち合いながら、皆さんの話もお伺いしながら、皆さんからも教えて頂きながら進めていきたいと思います。

普段はホメオパシーの授業の合間合間でも、「狭い意味でのホメオパシー」だけではなく、さまざまなお話をしているわけですけども、そのエッセンスともいえるようなことを今回集中的にお話をしたいと思っています。

実は、これは私としても、普段東京でやっていないことなので、この間、あるホメオパシーの生徒さんにこの(森羅万象セミナーの)チラシを見せましたらね、“何かずるいですね”と言われまして(笑)、まあずるいというのはもちろん冗談ではありますけれども、そうですね、ここでは、ある種真髄的なことを、これはあくまで私が思っている真髄的なことですけども、それを集中的にお話していきたいと思います。このシリーズはできるだけゆっくりと、結論を急がずに、一つ一つ話を展開していきたいと思っています。

普段はいわゆるホメオパシーの話をして、そしてそのお話の中に、その根底にあるさまざまなことの説明をしていく過程で様々な森羅万象的なことをお話する、といった組み立てが主になっています。

但し、今回はそのいわゆる宇宙論的なことと申しますか、いわばその全体的なこと自体、私が一番ずっと考え続けてきた、一番身近なこと、それをお話していきたいと思います。

どのように話していくのかということについては、今日を非常に楽しみにしながらも、いったい今日はどんなことになるんだろうという思いを抱きながら参りました。

そうですね。どのようなことからでも、本当にどのような些細なことからも、全てそれをどんどんどんどん深めていく、そこから分かることを深めていくと、必ず何かその中心的なことに向かっていくわけです。

先ほど、私の経歴をご覧になって、理科系というふうにご紹介頂きましたが、私自身はもともとはね、数学ですとか、理科系はとても苦手だったんですね。

小学校、中学校も高校時代もとても苦手でした。今思うと、それには理由があるんです。実は、日本で数学が嫌いな人たち、苦手な人っていうのが沢山いらっしゃいますが、なぜ苦手なのかって言いますと、実は数学的なセンスがあるからなんです。

むしろ高校まで数学が得意な人の中の非常に多くは、なぜ数学が得意かと言うと、数学的センスがないからなんです。

そう言いますと、びっくりされるかも知れませんが、つまり日本の数学の教育はどのようなことかっていうと、いたずらに結論を急いでいます。

まずはじめに公式があって、そこに至るまでのことを一応は説明するんですけどね、ものすごく簡単に急いで説明をして、すぐに結論、つまり公式があって、後はその公式の応用問題なんですね。応用問題でその結論、その公式をどういうふうに当てはめたら、どういう答えが出ると。この式というものはいったい、何を意味するのかっていうことについては、何も話さない、何も説明しない。

まあどうして説明しないかって言うと、実は先生が分からないからなんですね。一般的な先生達がやってきたことは、ただその公式を使ってどういうふうにすればいいかっていう、単なるパターン認識と言うか、なぜそうなるのかっていうことはほとんど何も考えてもいないし、理解もしていない。ということから来るわけです。

ですから、なぜ数学が苦手なのかというと、結論に至るプロセスを理解も納得もしてないまま進んでいくのはとても気持ち悪いから、つまり数学的センスがあるからなんです。

何を意味しているのかということを全然分からないまま、どんどん話が進んじゃって、どんどんどんどん、はい、これを当てはめたらこうなります、ああなります。確かに言われた通りにやると答えは出るんだけれども、自分がいったい何をやっているか、なぜこれが答えになるのか本質的にはさっぱり分からないわけです。

ですから、数学が苦手だ、嫌いだって言う人は、本当に何かを理解したいという気持ちがあっても、理解ができないままどんどん進んでいっちゃうので、もうとてもね、もう本当に嫌なわけです。非常に嫌。

ですから例えば高校まで数学が一応得意だから数学科に入ったという人たちのかなり多くはね、大学に入ると挫折するんです。ものすごく挫折しています。どうしてかというと高校レベルまで、「どうして得意ですか」と聞くと、「答えが出るからです」と言うわけなんですね。

数学は決まった答えが必ず出る。だからいいんだと言うわけです。でも本当は、数学の本質と言うのは、一つの決まった答えが出るからっていうことでは全然ないんです。

数学は、何かというと思想なんですね。

思想です。それが数学って言うものの思想である。それもこの上なく素晴らしい思想なんです。ものすごいことを本当は意味している思想であるということの、その一部ですね。

この6回(※1)の中で、私なりに少しお話ができるかなっていうふうに思っています。

 

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