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松本先生
自己紹介
ご紹介に預かりました松本です。今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
私は基本的に生物学者です。医者ではなく、生命現象に関するもっと基礎的な研究をしています。予防接種は免疫学と関連があることですが、私も免疫学の研究室にいたこともあります。ですから、今日は免疫生物学の視点から、予防接種とはなにかということを考えていきたいと思います。
予防接種の話に入る前に、少し個人的なことを言いますと、私にも娘がいますが、もちろん、予防接種は一切受けさせておりません。どのような考えからそうしているのかというのは、今日の話を聞いていただければわかるかと思います。
セミナーの内容
今日最初に話すことは、ワクチンとは何かということです。ワクチンというのは接種するときの物質のことですけれども、ワクチンには何が入っているのかということをお話します。これはワクチンの作り方を説明することでもあります。そして、ワクチンとは何かということを概観したあとに、免疫生物学者がみたワクチン、つまり、免疫生物学者はワクチンをどのように捉えているのかということについてお話します。
それから、皆さんも抗体という言葉を聞いたことがあると思います。病院に行くとアレルギー検査などで、抗体がどうだという話をされますね。その抗体ができるということと健康であるということとは別問題であるということも指摘したいと思います。もちろん全く無関係ではないのですが、必ずしも直接的な関係はないということです。
そして、予防接種に対するリスクについて概観します。その後、現在、感染症が減ってきたことは、予防接種のおかげではなくて、都市の衛生状態が改善したためであることを検討します。そして最後に、ではどうするかということに関して、その代替として——というよりも、ベスト・チョイスとしての——ホメオパシーについて、永松先生から解説していただくことになっております。
ワクチンとは何か
では、最初にワクチンの作り方から話を始めましょう。ワクチンの種類というのはもちろん色々あります。いわゆる病原菌といわれているものの種類に対応して、ワクチンというものはあるわけです。基本的にワクチンというものは病原菌に対応してつくられますから、最初に、その病原菌の種類について知る必要があります。
病原菌の種類を大きく分けますと、細菌(バクテリア)とウイルスになります。もちろん、他にも色々ありますが、大きく分けて特に予防接種に関連するものとしては、この二つになります。他にも、例えば狂牛病の病原体プリオンなどがありますが、それは非常に特殊な場合に限られています。また、細菌以外の病原虫や寄生虫などもありますが、現在特に予防接種の対象となっているのは、この細菌とウイルスです。
病原体が細菌である場合、どのようにしてワクチンを作るのでしょうか。もちろん最初に細菌を培養します。人間に病気を起こす細菌そのものではなくて、弱体化した細菌の系統を使うことが多いのですが、それを試験管みたいなものに培養液を入れてそのなかに菌を植えます。そして適温で振って培養します。そうすると、細菌が増えて、培養液が曇ってきます。それを遠心分離して集めます。
弱体化した系統を用いる場合もあるとはいえ、病原菌ですから、それをそのまま人に注射したりすると、もちろん、その病気そのものになってしまいます。それではいけないので、培養した病原菌を不活化します。不活化には、一般的にはホルムアルデヒドが使用されます。つまり、細菌を殺しているわけです。殺すわけですから、それなりに生体に危険な物質が用いられるわけです。実際、ホルムアルデヒドは、すごくいやな匂いがする化学物質です。ホルムアルデヒドは、他に、家の塗装などに使用されたり、カーペットなどに使用されていて、特に新築家庭で病気の原因になることが知られています。特に子供にアレルギー性疾患がでたりすることが指摘されています。
いずれにしても、ホルムアルデヒドで不活化して、さらに防腐という処理をします。培養した細菌というのも生ものですから、そのまま放って置くと腐ってしまう可能性があるわけです。防腐の段階でフェノールや水銀などの化学物質が加えられます。このような処理をしないと、腐る可能性があるわけです。一番怖いのはカビです。カビは大変しつこくて、細菌をクリーンベンチで調整しても、最終的には人間が行っていることですから、100%腐らないとは保障できません。もちろん、ワクチンにも使用期限がついているとは思いますが、いずれにしてもそのような危険な化学物質が入れられていることは確かです。
そのようなものがワクチンの中に入っていることは非常に恐ろしいことと言わねばなりません。フェノールは化学の実験でよく使われますが、手に付きますと手が溶けますから、直接触ってはいけない劇薬です。このような劇薬であるからこそ、防腐剤として機能するわけです。水銀ももちろんそうです。人体への影響も非常に懸念されています。赤チンなどにも昔は入っていたようですが、禁止になり、今では全体的に禁止されているはずです。けれども、ワクチンの中にはいまだに入っているのです。
他にも、免疫反応を高める目的でアルミニウムが入っています。アルミニウムもあまり自然に人体に取り込まれる物質ではありません。アルミニウムはアルツハイマー病(痴呆症)などとの関連が指摘されています。
いずれにしても、不活化というのは大きな矛盾をはらんでいるわけです。弱体化した菌とはいえ、人体にはかなり有害ですから、不活化がきちんとなされていないと病気になるわけですが、また同時にこのために用いる化学物質は人体に有害です。どちらにしても、あまり良い結果にはなりそうにありません。
病原体がウイルスの場合も、基本的にはこれと同じことが行われるわけです。けれども違いもあります。ウイルスは、それ自身では増殖できません。細菌というのは細胞ですから、餌を食べて自己増殖します。ウイルスはそれそのものだけでは生きていけません。ウイルスは遺伝物質としてのDNAあるいはRNAとタンパク質でできた物質です。それ自身では自己増殖できません。ですから、ウイルスを増やすためには、細胞や組織を飼うことが必要です。よく使われるのが、ニワトリの卵です。
いずれにしても、細胞を飼いまして、その細胞に使いたいウイルスを感染させます。すると、細胞の中でウイルスが増殖します。その細胞は最終的には死んでしまうわけですが、そのような培養液からウイルスを分離・精製して、不活化を行い、防腐剤などの化学物質を加えてワクチンとするわけです。
細菌の場合と少し違うところは、この細胞からの不純物が、分離・精製しても100%除けるわけはないということです。例えば、ニワトリの卵を使って培養しますと、ニワトリの成分が入ります。卵アレルギーの人は注意した方がよいということにもなります。現実的にそのような培養細胞からの混入でアレルギーになったことは報告されていませんが、可能性としてはそのようなことも考えられます。
例えば、風疹ウイルスの場合はヒトの培養細胞を使います。ところが、普通、正常な細胞を飼っても、すぐ死んでしまいます。正常細胞は体外ではなかなか増殖しません。しかし、ここでの細胞培養の目的はウイルスを増やして、ワクチンを作ることですから、どうしても細胞を飼いたいわけです。しかも、できれば大量生産の目的で細胞培養をしたいわけです。そこで、細胞培養しても、体外でも生き続けることができるような、なかなか死なない細胞が使われます。それはどのような細胞かと言うと、簡潔に言えばガン細胞です。ガン細胞を飼って、その細胞を使ってウイルスを飼う、そして、そのウイルスを使ってワクチンを作るわけです。
歴史的な例としては、ソークワクチンがあります。これは、非常に有名なワクチンで、小児麻痺のワクチンとして世界最初に開発されたものです。アメリカ人は全員ソークワクチンを打つ時代がありました。ソークワクチンは何を使って作られているのかというと、病原体はウイルスですから、ウイルスを飼うための細胞としてそのときに使ったのがサルの腎臓組織の細胞です。そうすると、この組織の細胞の成分がどうしてもワクチンに混入してしまうことが考えられます。
実際に、このサルが持っていたガンウイルスSV40がソークワクチンに混じっていました。アメリカ人は、このワクチンを全員打っていますから、このワクチンが、アメリカ人のガンの発生率を上げたのではないかという議論もなされました。アメリカ人のガンの発生率を上げる要因というものは、他にも多々考えられるので、このワクチンがどれほどガンの発生に貢献したかは疑問ですし、そのことを厳密に証明するのは、困難なことです。けれども、この事件はワクチンについての大きな教訓を与えてくれます。
そのほか、ワクチンを作るときの方法として、遺伝子組み換え技術にも触れなければなりません。例えばB型肝炎ウイルスは比較的最近発見されたこともあって、最新の技術を使う傾向にあります。もちろん、その他のワクチンにもそうですが、遺伝子組み換え技術を用いたワクチンは、今後どんどん増えてくるであろうと思われます。つまり、ウイルスの遺伝子を人工的に変えたり、一部だけを取り出したりして、ワクチンとして使うということです。
今後、21世紀のワクチンとして開発が進んでいるものに、DNAワクチンがあります。これはワクチンの、ある意味での究極的な形とも言われています。DNAワクチンも、もちろん遺伝子組み換え技術を使ったものです。ウイルスの遺伝子の一部を人の筋肉に直接注射して、人の筋肉自体にウイルスの一部を作ってもらおうというものです。つまり、筋肉細胞自体がウイルスを生産するのです。そうすると、筋肉が長期間ウイルスのタンパク質を作りますから、それに対する抗体も、長期間形成されることになります。
遺伝子組み換え技術は、現在では食品などに使われていますが、その人体への影響は未だはっきりとは知られていません。けれども人類の歴史を振り返って考えてみると、新しい技術はほとんど常に人類社会に不幸をもたらしていますから、遺伝子組み換え技術の乱用にも注意しなければなりません。実際に、新しいタイプの犠牲者が出ています。それにもかかわらず遺伝子組み換え技術が推し進められているのは、人類の幸福を考えてのことではなく、単に莫大な利潤につながるからです。このことは、私たち消費者が常に心に留めておかなければなりません。
免疫生物学の視点からみたワクチン
ここで少し、現代の免疫生物学者はワクチンについてどのように考えているかということをお話します。
全体として、免疫生物学者の中にもいろいろな考え方をする方がいます。DNAワクチンを推進する人も多くいます。けれども、免疫のしくみをよりよく考えれば考えるほど、効果的で安全なワクチンなどというものは無理ではないかと考える方もかなりいらっしゃいまして、むしろそのような方が最近増えているように思えます。
皆さんもご存知だと思いますが、免疫の話をするときに中心となるのが、抗原抗体反応です。簡単にいうと、抗原はウイルスや細菌で、抗体はそれらを攻撃するタンパク質です。ワクチンはもちろん、抗原として働きます。抗原を注射によって身体の中に入れることになります。そうすると、身体はそれに対する抗体を作るわけです。抗体はごく簡単にいえば、Y字型になっているタンパク質で、先端の部分で抗原にくっつきます。それで離れなくなって、ウイルスなどが機能できなくなってしまうわけです。
免疫生物学的に考えて、ワクチンがうまくいかないのではないかという理由のひとつは、この抗原抗体反応のバランスにあります。実は、環境には抗原が無限に存在するわけです。息をしても食べ物を食べても、外部から化学物質が入ってきますから、常に抗原にさらされています。実は抗原は体内でも発生します。それらすべてに対処するように抗体が作られます。そのような時にワクチンが入ってきて、抗体がたくさんできるとします。それで、健康が達成されたかというとそうではないわけです。逆に抗体があまりにもそちらのほうばかりに作られてしまい、環境の抗原全体に対処できなくなります。単一抗原が多量に入ると他の抗体の仕事が抑えられてしまうのです。つまり、結果として、免疫抑制が起こります。
ですから、ワクチンを入れると免疫が活性化されるなどといいますが、ある一つの抗原に対する抗体価が上がることは確かにあるでしょう。それは生化学的に調べれば分かることです。実は、それすらもできないワクチンというのもたくさんあるようなので、驚いてしまいます。けれども、たとえ抗体ができたとしても、全体としては免疫抑制が起こるわけです。例えば、ポリオワクチンを接種した人はジフテリアにかかりやすくなるという例が知られています。
このように、自然界では常に抗原と抗体のバランスが保たれていることは、強調しても強調しすぎることはありません。そして、バランスが保たれているからこそ、様々な人間や細菌も含めて、色々な生物が地球上に共存できているわけです。
そのほかにも、有効で安全なワクチンは不可能に近いのではないかと考えられる根拠があります。ウイルスや細菌を分子レベルでミクロにみると、常に突然変異を起こしています。その最たるものは、インフルエンザウイルスや、エイズウイルスなど、RNAを遺伝子として持つウイルスです。例えば、インフルエンザでも何型、何型とあります。特にA型とB型が主です。そのように便宜上、型に分けてはいるのですが、ウイルスの場合は複製の誤りとして、ほとんど必然的に突然変異を起こします。RNAを複製するときに、頻繁にミスを犯すわけです。つまり、自己増殖をどんどんしているときに、できてしまったものと昔のものはすでに異なったものであるということです。これは誰にでも、どの種類のウイルスにも効くようなワクチンを開発しようとする際に最も厄介なことです。
例えば、インフルエンザウイルスはA型とB型くらいしかないと思っている方もいるでしょうが、それは便宜上の分け方に過ぎません。一つ一つ見れば、必ずどこかが違うはずです。つまり、極端に言うと、あなたの持っているインフルエンザと私の持っているインフルエンザは異なるということです。ホメオパシーの場合は、個人ごとに処方が異なりますから、それでも治療に支障はまったくありません。むしろ、個人ごとの違いというのは当然の立場なのです。しかし、ワクチンの場合、これは非常に厄介なことです。
ワクチンは、ある型を使って製造されますから、その型が変わってしまったらもうだめになる可能性があります。ですから、流行する型をある程度予測をして予防接種をしているわけですが、その予測はほとんど当てになりません。実際に細かく考えれば無限の種類があるのですから、それも当然のことです。ですから、あまりにも突然変異が速いために、実際にどのようにして一般的なワクチンを作ればよいのか、実はまったくわかっていないのです。このように分子生物学的に考えて、ワクチンは効かないのではないかと考えている研究者もかなりいらっしゃるわけです。
人間と細菌やウイルスの共存
ここで、自然な状態における細菌やウイルスと人間の関係について少し触れておきます。一般的に細菌やウイルスは悪だと考えられがちです。ウイルスや細菌を最後の一匹まで殺さなければいけないほどきちんと手を洗ったり洗濯をしなければいけないという風潮があると思います。しかし、実際にはそうではないのです。細菌やウイルスというのは、私たちの身の回りにたくさんいるもので、いるべきものなのです。適切な種類の細菌やウイルスが、私たちの身の回りの適切な場所に適切な数だけ生息しているときに、人間もよりよく機能できるように自然界は作られています。
実は、発見されていないウイルスや細菌が、ほぼ無限の種類いるはずです。発見されているウイルスや細菌というのは、氷山の一角にすぎないのです。どのような経過で発見されるかというと、たまたま病気との関連で発見されるのです。特定のウイルスや細菌が、特定の病気の結果か原因かは別として、その病気の人を調べてみると、特定の細菌やウイルスが異常に多かったため、発見にいたるわけです。そうでなければ、非常に微細なウイルスや細菌を発見することは困難です。
いずれにしても、そのようにして発見された種類は氷山の一角で、ほとんどのウイルスや細菌は病気とは関係なく生きているわけです。そして、病気と関連しているウイルスや細菌でも、普段は病気とはまったく関係なく生活しているわけです。
例えば、皮膚の表面や腸内に共生する細菌は有名ですね。あるものは人間に利益を与えてくれますし、ほとんどは特に利益を与えてくれるように見えなくても、その種類がいないと別の異常な細菌がくるので困ることになったりと、とにかく共生という形で人間とともに平和に暮らしています。
では、なぜ平和に暮らしているはずの細菌やウイルスが、突如として病気に関わってしまうのでしょうか? 特に病気の「原因」となることは、実は自然界ではほとんど起こらないことばかりです。本当に自然な状態で人間が生活していたときは、病気はほとんどなかったと考えられます。実際に、人間以外の哺乳類において感染病が流行るということは、ほとんどありません。均衡が保たれているわけです。最近は、国立公園の動物などで病気が流行っているといいますが、これは、もちろん、人間の介入のためです。環境の変化によって動物たちが、或る限られた、劣悪な場所にしか住めなくなったりすると、バランスが崩れて病気が発生するわけです。
人間でも同じことです。感染症の流行は、特に100年から50年くらい前までに現在の先進諸国でも広くみられました。今でもいわゆる「発展途上国」では、同じようなことがあります。病気が流行るようになったのは、人間が住む環境が大きく変わって、汚い都会に住むようになったためです。住環境が劣悪になったということです。そのことについては、あとの方でも少し触れます。
抗原抗体反応と健康
さきほども抗原抗体反応のところで少し説明しましたが、病院に行くと抗体の有無に関する検査があります。例えば食物アレルギーの場合は、食物に対して抗体があるかなどということを検査しているわけです。この場合はIgE抗体といって、アレルギーの原因となって悪さをすると言われています。しかし、この場合でも、相関関係は100%ではないわけです。例えば、ある人が卵を食べるとアレルギー反応がでる方がいらっしゃると思います。だいたいそのような方には卵に対するIgE抗体ができてしまい、アレルギーになっていると考えるわけですが、必ずしもそうではありません。抗体検査の結果と全身の症状とは関係ないことも多いのです。つまり、卵を食べるとアレルギーになる人なのに、抗体検査をすると何も出ないこともあるわけです。もちろん、その逆もあるわけです。つまり、実際の相関関係はそれほど高くないということです。確かに抗体価はひとつの指標ではありえますけれど、必ずしも健康の指標として決定的な位置を占めているわけではないのです。
これと同じように、ワクチンの場合でも、抗体が出来ていることと、健康であるということは、必ずしも高い相関関係にあるわけではありません。健康というのは、アレルギーという概念よりも、もっとずっと複雑で奥深いものです。健康という幅広く奥深い概念を、抗原に対する抗体という概念に、単純に還元することはできません。本当は、身体の持っている抗体は、すべての環境抗原に対するすべての抗体なのですが、ワクチンで誘導するのはそのうちの一握りにすぎません。それだけ考えても、抗体と健康というのは一般に信じられているほど相関関係が高くないことがわかります。はっきり言うと、ほとんど関係ないといってしまったほうが正しいでしょう。
ですから、例えば、抗体があるからインフルエンザにかからないかというとそうではありませんし、抗体がないからインフルエンザにかかるかというとそうではないわけです。抗体がなくても、かからない人はかからないのです。抗体があっても、かかる人はかかります。ですから、抗体は一つの指標ではありますけど、絶対視することはできません。
ホメオパシーを知っている方にはすぐにわかると思いますが、一つの面から健康や免疫というものを判断すると、大きな間違いに陥ります。ですから、ホメオパシーの立場のように全体像をみて、色々な症状を考えてその人にあった処方を選ぶということが、必要となってくるのです。ホメオパシーの考え方からは、これは当然のことです。
予防接種のリスク
ここで、予防接種のリスクについて、少しお話します。小児疾患は子どもの成長に必要なワン・ステップであるという考えが最も合理的ではないでしょうか。そのようなものを無理やりに抑制してしまうのは、何かの弊害を伴うと思われます。子どもは病気によって現存する悪いものを外に出して、さらに健康な状態になろうとしているわけです。そのような過程を経験して子どもはさらに成長するのです。これが自然の摂理に則っている成長過程です。ですから、そのような必要なものを除外してしまうこと自体が、子どもの成長にとってリスクになると考えられます。
ワクチン接種の弊害は、もちろん、それだけではありません。接種のため、思いもかけない副反応がでたり、予防すべき病気にかかってしまったりします。菌やウイルスを体内に入れるのですから、病原体を弱体化したり、不活化していたとしても、そのような病気にかかってしまうこともあります。
実際、歴史的にみますと、そのような例は特に多くみられます。予防接種で予防しようとして亡くなってしまった方はたくさんいます。現在では倫理的な問題があってできませんが、予防接種を確立するために多くの人体実験が行われてきたわけです。人体にどのような形で作用するのかということが非倫理的に研究されたということが過去にあります。
その反面、ワクチンをうたない状態で小児疾患になってしまって、後遺症が残ると怖いという話を聞いたことがあります。しかし、それは誤りです。実は、適切なケアをすれば、かかったあとでも、ほぼ100%といっていいと思いますが、後遺症が残るということはありません。このあとに永松先生がお話していただくと思いますが、ホメオパシーで「予防」もできますし、治療もできます。感染症に詳しいホメオパスによりますと、ほぼ100%適切な治癒ができると断言しています。
もちろん、小児疾患にかかって後遺症が残るリスクはかなり低いけれどもゼロではありません。本当は、リスクは無視できるほど小さいので、ゼロと言ってしまってもよいのですが、ここでは、一応、ゼロではないという立場で考えてみます。では、そのかなり低い確率のものを事前に予防する意義はあるのでしょうか。
私の好きな例について話しましょう。たとえば、車に乗って人身事故にあう確率、あるいは死亡してしまう確率は非常に高いのです。死亡原因のランキングでは、十位くらいに交通事故が入っています。それは死亡原因ですから、ケガなどの人身事故を含めますと、車に乗ることは非常に高いリスクです。けれども、私たちは生活のために車に乗ります。
これを予防接種をうたないで病気になって後遺症が残る確率と比較してみると、断然、そのほうが低いわけです。ですから、一言で言うと、ホメオパシーを使って治療もできますし、使わなくても適切なケアさえしていればうまく外に出していくことができるわけですが、万が一予防接種が効くとしても、車に乗るほうが予防接種よりずっと危険ですから、車に乗って予防接種を受けに行くというのは、非常にナンセンスであるように私には思えます。その途中で事故にあることを心配したほうがよいことになります。ですから、ワクチンで予防しようと考えるよりも、適切なケアの方法などを学んで、適切に処理するほうがずっとよいことだと私は考えています。
インフルエンザ・ワクチンについて
ここで例として、インフルエンザについて考えてみたいと思います。インフルエンザについては、非常に参考になるインターネットのサイトがありますので、ご紹介したいと思います。www.tanuki.gr.jp/mt/yobou/100/menu.html です。私もこのサイトで勉強させていただきました。100の質問と答の形式で書かれています。インフルエンザ・ワクチンの接種はいかに無意味なことかが示されています。この方は小児科の方です。
一言で言うと、インフルエンザ・ワクチンだけではありませんが、ワクチン接種というのは、百害あって一利なしということになるでしょう。統計的にも効果がないことが証明されています。確かに統計というのは難しいところがありまして、効くという統計もありますし、効かないという統計もあります。ですから、そこのところの判断は難しいのですが、厚生省がとっている立場は、インフルエンザ・ワクチンに関しては、その効果は「不明」です。厚生省は一応ワクチンの接種を勧めはしますが、責任はとらないということです。あとで何が起こっても責任はとらないということです。実際に予防接種法の対象外になっています。つまり副反応で何か都合の悪いことが起こっても、政府は責任を持ちませんということです。というのは、訴訟で争って政府が負けるとよくないので、予防接種法から取り除いておこうということなのでしょう。いずれにしても、現在ではそのようになっています。
世界的に見ても、特にインフルエンザのワクチン接種というのは、どんどんされない傾向にあります。これは日本だけではありません。欧米でもそうです。私の小さい頃は、誰でもインフルエンザ・ワクチンを受けたものです。そのような時代もありましたが、世界的にもそれはほとんど効かないということが認識されてきました。そして、世界的にもだんだん使われなくなっています。
個人的にも、注射をうったのにインフルエンザに罹ったという経験をした人も多いと思います。その反対に、確かに、注射をうったからインフルエンザにならなかったと主張する方も、かなりいらっしゃるとは思います。そのようなことも無きにしも非ずですが、多分それはプラシーボ効果だと考えられます。これは何かと言うと、注射をうったということで、自分はインフルエンザにならないんだというある種の思い込みが起こるわけです。それによって自分の生命力が活性化されて、実際にインフルエンザにかからないというわけです。すべての薬にはこのプラシーボ効果が伴います。特に権威的になされたことはプラシーボ効果を伴いますから、現代医学の薬も実はほとんどはプラシーボ効果なのではないかと主張する方もいらっしゃるわけです。これは少し極端な話ですが。
私は娘にインフルエンザなどの予防接種を受けさせていませんから良く知りませんが、予防接種を受けさせる時は親の承認印がいるそうですね。つまり何か注射後に副反応が起こって深刻な状況になっても、行政や製薬会社は直接的には賠償しませんということです。それを承諾してもらうという承認印が要るわけです。つまりあちら側は、そのような訴訟を恐れているという背景があるわけです。
予防接種普及の歴史的背景
このような、極端なことをいうと「百害あって一利なし」といってもいいような予防接種が、どのような歴史を経て、現在のような広く普及してしまうような状況になってしまったのか、少し考えてみたいと思います。ここに来られた方は違うと思いますが、一般的には、予防接種は絶対受けなければいけないし、予防接種を受けないなどというのは、子どものケアを怠っているような親であると批判される風潮にあるわけです。あそこの親はそんなこともしないでということになってしまうと思います。どのような背景を経てそのようになってしまったのか、歴史的に考えてみたいと思います。
人工的なものがまったくなかった大昔は、もちろん人間は健康に過ごしていたわけです。そして、都市ができて、人口が都市に集中します。都市というのは非常に不衛生な場所なのです。そこが重要なポイントです。現在、都市は比較的クリーンな状態に保たれています。東京の街を歩いていても、屎尿の臭いがした記憶はあまりありません。しかし、ほんの少し前の都市では、そうではありませんでした。上下水道がまったくなかった時代がかなり長く続きました。そのような中で一体どのように屎尿を処理するかという問題があります。人間の排泄物に加えて、当時は車がなかったですから、その代わりに馬をよく使います。都市は馬の屎尿の臭いで臭かったわけです。都市全体が不衛生だったために、ネズミなどがたくさんいました。そのようなにおいの中に、人間が住んでいたわけです。ですから、ヨーロッパの人々は今でも強い香水を使いますね。
戦後、上下水道が完備されました。昔は下水も飲み水も同じだったわけですが、今は分かれています。それで急激に衛生状態が向上しました。これによって、病気が激減しました。その要因を一つ何か挙げるとしたら、水洗便所の普及が大きな影響を及ぼしたと言われています。
この時期は、確かに予防接種が広く行われ始めた時期と一致しています。そのため、予防接種のために健康状態が改善したとか、余命が延びたとか主張する方もいらっしゃり、私たちもそれを信じがちですが、それは間違いです。総合的な衛生状態の改善が健康状態を改善したのです。
現在でも上下水道が完備されていない地域というのはたくさんあります。そのような地域で予防接種がたくさん行われた場合もありますが、全然だめですね。それは何を意味しているのかというと、予防接種だけで寿命を延ばしたり、健康状態を改善することは不可能であることを証明しているわけです。
これに対して、ホメオパシーは歴史的に感染症に大きな効果を発揮してきた歴史があります。副作用の心配もほとんどありませんし、副反応とか、子ども自体の成長を妨げることもありません。予防接種は効くかどうかすら怪しいですし、やる必要もありません。それではホメオパシーでは何ができるのか、については永松先生にお話していただきます。